じゃがいもは肉じゃがにカレーにサラダにと、いろんな料理に活躍する身近な野菜。
でもどんな栄養素が多くて、どんな健康効果があるのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- じゃがいもにはどの栄養素が多い?
- 1個食べると1日分の栄養素の何%が摂れる?
- じゃがいもの健康効果は?
- どんな人こそ食べると効果的?
といったことが手に取るようにわかります。
これであなたは、どんな人こそ、どんな時にじゃがいもを食べるのが効果的なのかがわかりますよ!
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じゃがいも1個の栄養価
じゃがいもに多い栄養素は、ビタミンB6、C、ナイアシン、パントテン酸、カリウム、銅、モリブデン、食物繊維など。
意外にもビタミンCがぎっしり!ミネラルや食物繊維も豊富に含まれています。
じゃがいもの効果として、感染症の予防、貧血予防、血圧を下げる、疲労回復、アンチエイジング、肌荒れ・口内炎の予防、ストレスから守る、女性特有の悩みをやわらげる、などが期待できます。
そんなじゃがいも。
どの栄養素がどのくらい多くて、
その栄養素にはどんな効果があるのか、
ご存じですか?
そこで……
- じゃがいもを1つ食べると、
1日分の栄養素の何%が摂れる? - じゃがいもに多い栄養素は何?
- どんな効果が期待できる?
について、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えします。
じゃがいも1個:140g
じゃがいも1個の皮を除いた可食部は140gほど。生ではなく、じゃがバターなど「電子レンジで調理したじゃがいも1個分の栄養価」を紹介します。
じゃがいもに多いビタミン
まずはビタミンから。
じゃがいもを1つ食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
じゃがいも1個に多く含まれているビタミンは次の6つ。女性にとって1日に必要な量の何%が摂れるのかというと……
ビタミンC | 32% |
ビタミンB6 | 26% |
ナイアシン | 20% |
パントテン酸 | 13% |
ビタミンB1 | 12% |
葉酸 | 10% |
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
じゃがいもはビタミンCがたっぷり!ビタミンCの多い野菜の1位はミニトマトですが、じゃがいももトップランクです。
そのほかビタミンB群(B6、ナイアシン、パントテン酸、B1、葉酸)も豊富。
次はじゃがいもにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
じゃがいもに多いミネラル
じゃがいも1つ(140g)で、女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
じゃがいもはビタミンだけでなくミネラルもたっぷり。次の4つのミネラルが豊富で、女性が1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
カリウム | 30% |
モリブデン | 21% |
銅 | 20% |
マンガン | 16% |
※女性の1日に必要な量の何%が含まれているかを数値で表しています。
1食分あたりでカリウムの多い身近な食べ物では、1位がさといも、2位がじゃがいもなんです。
ちなみに、カリウムが多いイメージのバナナはランキングでは27位。じゃがいも1個にはバナナ2本分のカリウムが含まれています。
バナナ1本のカリウムの量は?ほかの食べ物と比べると?
そのほか、モリブデン、銅など、あまりなじみのないミネラルも豊富。その効果はのちほど紹介します。
では、じゃがいも1個あたりの食物繊維をお伝えしてから、じゃがいもの8つの効果効能を紹介します。
じゃがいもに多い食物繊維
じゃがいもを1つ食べると1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
不溶性食物繊維 | 13% |
水溶性食物繊維 | 12% |
食物繊維は炭水化物の一部(炭水化物 = 糖類 + 食物繊維)。私たちは食物繊維が2種類とも不足しています。
じゃがいも1つで10%ほど摂ることができて、不溶性食物繊維は不足分をほぼ補うことができます。
ただ、血圧・血糖値・中性脂肪などにとても効果的な水溶性食物繊維は、必要な量の半分ほどしか摂れていません。多く含む食べ物を意識して食べましょう。
では、
じゃがいもに多い栄養素には
どんな効果があるのでしょうか?
私たちはその栄養素が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
じゃがいもに多い栄養素とその効果
じゃがいも1個に含まれている栄養素の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンC | 32% |
カリウム | 30% |
ビタミンB6 | 26% |
モリブデン | 21% |
銅 | 20% |
ナイアシン | 20% |
次いで、マンガン、パントテン酸、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、ビタミンB1なども豊富に含まれています。
では、私たちはこれらの栄養素が足りているのか、じゃがいも1個でどのくらい補えるのか、どんな効果があるのか、お伝えします。
ビタミンC
じゃがいもにもっとも多い栄養素はビタミンC。抗酸化、感染症予防、ストレスから守るなどの効果があります。
じゃがいものビタミンCの量は?
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
じゃがいも1個には32mg。
1日の必要量の32%です。
さて私たちは、普段からビタミンCをどのくらい摂れていて、じゃがいもを1個食べるとどのくらい増えるのかというと……
女性が摂れている量は、96%
じゃがいも1個に、32%
合計で、128%
男性が摂れている量は、91%
じゃがいも1個に、32%
合計で、123%
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、eJIM「ビタミンC」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」
ビタミンCの効果は?
おもな効果は次の7つ。
- 血管・皮膚・骨を強くする
- 免疫力を高める
(ウイルスへの抵抗力アップ) - 老化や病気を予防する
(抗酸化作用) - ストレスから守る
- 鉄分の吸収を助ける
- コレステロールをおさえる
- シミを防ぐ
抗酸化、ストレスから守る、美肌・美白、といった効果はすでにご存じでしょう。
家庭での加熱調理ではビタミンCはほぼ壊れないとか。注意すべきは「水に流れ出てしまうこと」。水洗いや水にさらすのは短い時間にして、すこしでも流れ出ない工夫が大切です。
また体内にためておけず数時間で排出されるので、こまめに摂りたい栄養素。手軽に補給できる果物もぜひ活用しましょう。
ビタミンCの多い果物ランキング20【1食分】で比較!
野菜ならこちらがおすすめです。
ビタミンCの多い野菜ランキング20【1食分】で比較!
カリウム
じゃがいもに2番目に多い栄養素はカリウム。血圧を下げたり筋肉をしなやかに動かす効果があります。
じゃがいものカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
じゃがいも1個に602mg。
では、普段からどのくらい摂れていて、じゃがいも1個でどう増えるかというと……
女性が摂れている量は、111%
じゃがいも1個に、30%
合計で、141%
男性が摂れている量は、96%
じゃがいも1個に、24%
合計で、120%
※参考サイト:厚生労働省e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもな効果は次の4つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓の正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
カリウムが不足しやすいのは、下痢することが多い人、下剤や利尿剤をよく飲む人、食生活がかたよっている人、汗かき、ストレスが多い人、など。
じゃがいも、さといも、さつまいも、枝豆、ミニトマトなど、カリウムの多い野菜を意識して食べるようにしましょう。
ビタミンB6
じゃがいもに3番目に多く含まれるビタミンB6。脂質を燃焼してエネルギーに変えたり、月経前の悩みをやわらげる効果があります。
じゃがいものビタミンB6は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
じゃがいも1個に0.28mg。
じゃがいもを食べると……
女性が摂れている量は、99%
じゃがいもに、26%
合計で、125%
男性が摂れている量は、90%
じゃがいもに、20%
合計で、110%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB6解説」
ビタミンB6の効果は?
- たんぱく質を分解してエネルギーや筋肉やなどを作る
- 脂質の代謝を促進して脂肪肝を予防する
- 肌荒れや口内炎から守る
- 月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
- 精神的に穏やかに安定させる
エネルギーを作る、体を作る、粘膜を守る、といったはたらきのあるビタミンB6。次のような人は不足しやすい傾向があります。
- プロテインをよく飲む人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
不足すると、脂肪肝、肌荒れ、口内炎、便秘、不眠、イライラ、やる気が出ないなどの原因に。
じゃがいもなどの芋類、かつおや鮭などの魚類、豚肉、バナナなど ビタミンB6の多い食べ物を取り入れましょう。
モリブデン
4番目の栄養素はモリブデン。血のミネラルとも呼ばれていて、貧血を予防したり疲労回復効果も発揮します。
じゃがいものモリブデンは?
1日に必要なモリブデンは
女性が20μg、男性が30μg。
じゃがいも1個に4.2μg。
女性:1日の必要量の21%
男性:1日の必要量の14%
一般的な食生活ならモリブデン不足することも摂りすぎて悪影響がでることもまずないようでう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
モリブデンの効果は?
おもな効果は次の6つ。
- 血液をつくる
(鉄分のはたらきを促進) - 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する
(消化酵素のはたらきをサポート) - 余分な銅を排出する
なじみのないミネラルですが、食べた物の消化と代謝、デトックス、貧血予防などの効果があります。
銅
じゃがいもに5番目に豊富な銅。貧血予防や骨粗しょう症の予防に効果的な必須ミネラルです。
じゃがいもの銅の量は?
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
じゃがいも1個に0.14mg。
じゃがいもを食べると……
女性が摂れている銅は、149%
じゃがいもに、20%
合計で、169%
男性が摂れている銅は、133%
じゃがいもに、16%
合計で、149%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
銅は不足しにくい栄養素。女性も男性も必要な量をクリアしています。
ただ、ストレスの多い人、亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は銅不足に注意が必要です。
じゃがいものほかに銅の多い食べ物は、レバー、いか、ナッツ類、里芋、枝豆、納豆、玄米、など。意識して食べるようにしましょう。
銅の効果は?
おもな効果は次の5つ。
- 風邪など感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を予防する
- いろんな病気や老化を予防する
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
*-*-*-*-*
じゃがいもに多く含まれる栄養素とその効果を紹介しました。最後にこれらの効果をまとめて、
- じゃがいもを食べると
どんな効果効能が得られる? - どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
じゃがいもの8つの効果効能
じゃがいもはビタミン、ミネラル、食物繊維と、実にたくさんの栄養素が豊富。
これらの栄養素のはたらきから、じゃがいもに期待される効果効能をまとめてみました。
- 免疫力を高める
ビタミンCはウイルスと戦う白血球のはたらきを高め、銅はT細胞やマクロファージなどの免疫細胞のはたらきを助ける - 貧血を予防する
ビタミンCが鉄分の吸収を助けて、銅やモリブデンが鉄と一緒になって血液をつくる - 血圧を下げる
カリウムや不溶性食物繊維が余分なナトリウム(塩分)を排出する - 疲労回復
ビタミンB6やモリブデンが糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促進してエネルギーを作る - 病気の予防とアンチエイジング
銅やビタミンCの高い抗酸化作用で病気や老化の原因となる活性酸素を除去する - 肌荒れ、口内炎を予防
ビタミンB6が肌や粘膜を修復して健康な状態を維持する - ストレスから守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 女性特有の悩みをやわらげる
ビタミンB6がホルモンバランスやアミノ酸代謝を整えて、月経前の体の悩みやつわりをやわらげる
じゃがいもって、実は低カロリー。白いごはんの半分くらいのカロリーしかありません。
さらにビタミンB群やモリブデンなどが多いので、糖質・脂質をしっかり分解&代謝。体にためることなくエネルギーに変えてくれるので、疲労を回復、元気な体をサポートします。
そんなじゃがいも。ぜひ食べてもらいたい人とは……
こんな人こそじゃがいもを食べて!
じゃがいもをぜひ食べてほしい人はこちら。
- 風邪など体調をくずしやすい
- 貧血ぎみ
- 味付けの濃いもの、甘いもの、お酒が好き
- 毎日忙しい、疲れがとれない
- 若々しく元気でいたい
- よく口内炎になる
- ストレスが多い
- 生理痛や更年期障害がつらい
生活習慣病を予防したい、腸内環境を整えたい、いまひとつ調子がよくない、といった方にぜひ食べてもらいたいのがじゃがいもなのです。
じゃがいもの栄養と効果:まとめ
じゃがいもに多い栄養素や健康効果についてお伝えしました。
じゃがいもに多い栄養素:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンC、カリウム、ビタミンB6、モリブデン、銅。ナイアシン、マンガン、パントテン酸、食物繊維など
じゃがいもの効果:免疫力を高める、貧血を予防する、血圧を下げる、疲労回復、アンチエイジング、肌荒れ・口内炎の予防、ストレスから守る、女性特有の悩みをやわらげる
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、貧血ぎみ、濃い味付けやお酒が好き、疲れがとれない、若々しく元気でいたい、よく口内炎になる、ストレスが多い、生理痛や更年期障害がつらい
栄養の宝庫なのに低カロリーなじゃがいも。ぜひ毎日の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。