バナナといえば栄養豊富な健康フルーツ。エネルギーにもなりやすく、手軽に食べられる果物です。
そんなバナナを食べるタイミング。いつ食べるのがいいのか、ご存じですか?
このページを読むと、
- バナナに多い栄養や効果効能は?
- 食べるタイミングは食前と食後なら?朝・昼・晩なら?
- ダイエットならいつ食べるのがいい?
- ぐっすり眠るためならいつ食べる?
- 仕事や勉強の能率アップならいつ?
- 運動には?
など目的によってバナナを食べるタイミングはいつがいいのか、はっきりとわかります。
バナナを最適なタイミングに食べて、その効果をしっかり取り入れましょう。
バナナの栄養価とは?
バナナにはいろんな栄養素が豊富。低カロリーで糖の吸収もゆるやか。すぐにエネルギーに変わるので主食としても活躍します。
バナナは低カロリー
バナナ1本がわずか約86キロカロリー。ごはんに換算すると、お茶碗に半分程度ととても低カロリーです。
バナナは甘さもあってカロリーが高いような気もしますが、ごはんやパンのカロリーの方がよっぽど注意が必要ですね。
糖質:いろんな種類が含まれて吸収もゆるやか
バナナには、ブドウ糖、果糖、ショ糖、フラクトオリゴ糖などいろいろな種類の糖質が含まれています。
それぞれの糖が体内に吸収される速度が違うので、
- 血糖値があがりにくい
- 脂肪がたまりにくい
- すぐにエネルギーに変わる
- エネルギーが持続する
といったメリットがあります。バナナに豊富な食物繊維も血糖値があがるのをおさえてくれます。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「炭水化物/糖質」
ブドウ糖
ブドウ糖は脳のエネルギーに。頭の疲れがとれたり、頭がすっきりしたり、仕事や勉強の能率がアップします。
果糖
バナナの糖質の中でもっとも多いのが果糖。食べてから30分ほどでエネルギーに変わります。
運動前にバナナを食べたり、マラソンの給水所でバナナが配られるのも、果糖がすばやくエネルギーに変わってくれるからですね。
ショ糖
ショ糖は「ブドウ糖が1つ」と「果糖が1つ」が合体したもの。グラニュー糖や白砂糖や三温糖などの主成分がショ糖です。
フラクトオリゴ糖
バナナには「フラクトオリゴ糖」も含まれています。
フラクトオリゴ糖は難消化性のオリゴ糖。消化されにくいオリゴ糖、ということですね。胃や小腸で分解されずに大腸まで届くので、血糖値はほとんど上がりません。
大腸に届いたフラクトオリゴ糖は善玉菌のエサとなって、腸内環境を整えたり免疫を高めるはたらきも期待できます。
カリウム
バナナに含まれるカリウムの量は、いろんな食べ物の「1食分あたり」で比べると決して多くはありません。
ただ、1年じゅう手頃な値段で買うことができ、手軽にすぐ食べられる点ではバナナは優秀なカリウム源と言えますね。
- 体のなかの余分なナトリウム(塩分)の排出を促進する
- 筋肉の収縮をスムーズにする
高血圧の予防、むくみの解消、食欲不振の解消、疲労回復、筋肉をスムーズに動かす、といったはたらきがあります。
参考までにカリウムの多い食べ物はこちら↓
カリウムの多い食べ物30選【1食分で比較】摂取量や効果も紹介!
食物繊維
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。
水溶性食物繊維
海藻や果物に多く、ネバネバ、サラサラした食感のもの。がごめ昆布などのネバネバは水溶性食物繊維ですね。
・善玉菌のエサとなって腸内環境を整えて便秘を解消する
・中性脂肪を減らす
・コレステロールを下げる
・血糖値の上昇をおさえる
・血圧を下げる
・ダイエット
といったはたらきが期待できます。
水溶性食物繊維のはたらきはこちら↓
水溶性食物繊維のすごい6つの効果と多い食べ物とは?
不溶性食物繊維
玄米・ごぼう・レンコン・さつまいもなどボソボソした繊維質の食べ物に多いです。
・便秘の解消(便のカサを増やして腸の動きを活発に)
・有害物質の排出(デトックス)
・ダイエット(腸で膨らみ満腹感が持続)
といったはたらきが期待できます。
不溶性食物繊維のはたらきはこちら↓
不溶性食物繊維のすごい3つの効果と多い食べ物とは?
バナナは水溶性も不溶性も
バナナにはどちらの食物繊維もバランスよく含まれています。腸内環境を改善して健康な体づくりをサポートする果物と言えますね。
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」
ビタミンB群
バナナには、ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B6、B12、葉酸、といったビタミンB群も豊富。
糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変える、疲労回復、代謝を促進して脂肪を燃焼、精神的な安定、仕事や勉強などへの集中力アップ、口内炎予防、爪や肌や髪の健康、子供の成長を促進、などのはたらきがあります。
トリプトファン
バナナにはトリプトファンも豊富。
トリプトファンは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンのもととなる成分。そのセロトニンは夜になると「眠りのホルモン」であるメラトニンに変化して、深い眠りもサポートしてくれます。
トリプトファンは体内では作ることができない必須アミノ酸のひとつ。食べ物から摂り入れなければならないのですが、バナナには豊富に含まれているのです。
ちなみにセロトニンのおもな材料は、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の3つ。バナナにはこの3つがすべて含まれているので、とても効率のよい果物なのです。
ポリフェノール類
ポリフェノールといえば、赤ワイン・ココア・緑茶などのイメージかもしれませんが、バナナにもポリフェノールが豊富に含まれています。
抗酸化作用が高く、あらゆる不調や老化のもとである活性酸素を取り除くはたらきがあり、生活習慣病の予防や免疫力アップの効果が期待できます。
熟してシュガースポットが出てきたバナナのほうがポリフェノールは多く含まれています。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
このように栄養豊富なバナナですが……
食べるタイミングを間違えると効果が激減してしまうこともあるのです。
そこでまず大前提として、果物全般に共通の効果的な食べるタイミングとNGのタイミングについてお伝えします。
そのあとで、ダイエット目的なら食べるタイミングはいつ?便秘解消なら?など、バナナの8つの効果効能とその最適な食べるタイミングについてお伝えします。
大前提は空腹時!果物を食べるタイミング
まず大前提として、バナナに限らず果物を食べるタイミングは空腹時です。
※血糖値が気になる方は果物のタイミングを主治医とご相談ください
果物は食間・食事の30分前が正しいタイミング
果物を食べるなら「食間(食事と食事の間)」や「食事の30分前」がおすすめ。30分で腸まで届いて体のためにすばやく働いてくれます。
食事の30分前というのはなかなか……という場合は、食事のときにまず果物から食べるのがおすすめ。すばやく胃腸で分解されて、後から来るごはんやおかずの消化を助けてくれるでしょう。
食後の果物はNG!体にとって悪影響に!
食後のデザートとして果物を食べる人も多いでしょうが、それは間違い。果物を食べるタイミングとして食後はNGなのです。その理由は「食べ物によって胃腸に届くまでの時間が違うこと」。
食べてから胃や腸に届くまで、野菜なら2時間、ごはんなら4時間、お肉は8時間。でも酵素がたっぷり含まれている果物はたったの30分で腸に届く。
でも果物を食後に食べてしまうと、先に食べたごはんやおかずにジャマされて胃で立ち往生。腸までたどり着けずに胃の中で待っている間に、果物自身に含まれている消化酵素のはたらきで胃の中で発酵が始まってしまって……
- 果物にたっぷり含まれる栄養素が吸収されない
- 先に食べた物を腐敗させてしまう
- 胃酸が弱くなって消化不良をおこす
- 胃のなかにガスがたまる腸で悪玉菌が増える
その結果、胃痛、胃もたれ、胸やけ、便秘、下痢、肌荒れ、太る、といった悪影響を及ぼしてしまうのです。
では、バナナの8つの効果効能とそれぞれの食べるタイミングについて、お伝えします!
バナナの8つの効果効能と食べるタイミング
バナナはさまざまな栄養素や酵素が豊富なので、効果効能もたくさんあります。
得たい効果ごとに、いつのタイミングでバナナを食べるのが最適なのか、お伝えしていきます。
高血圧の予防にいいタイミング
バナナに含まれるカリウム。体内の余分なナトリウムを排出して高血圧を予防してくれます。
高血圧の予防ならバナナを食べるタイミングは朝。朝食の食前(30分ほど前)に食べるのもいいですし、朝食としてバナナを食べるのもおすすめです。
朝4時~昼12時までは排泄の時間。
朝食をしっかり食べると消化するために大量のエネルギーが必要となって体の負担に。酵素が多くて消化のよいバナナなどの果物を中心とした朝食がいいですね。
抗酸化にいいタイミング
バナナにはβカロテンやポリフェノールなどの抗酸化成分も多く含まれています。
これらの成分が活性酸素を除去して、生活習慣病や老化を防いでくれます。悪玉コレステロールをたまらないようにして血行をよくするはたらきも期待されています。
バナナを抗酸化のために食べるならタイミングはやはり朝がおすすめ。昼でも夜でももちろんOKですが、これから活動するという朝のタイミングにバナナを食べて、活動中に発生する活性酸素から体を守りましょう。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「抗酸化物質」、「活性酸素と酸化ストレス」
便秘解消にいいタイミング
水溶性と不溶性の食物繊維、フラクトオリゴ糖が豊富なバナナ。
善玉菌のエサとなって腸内環境を整えたり、腸のなかでふくらんで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にして、便秘の解消をサポートします。
バナナを便秘解消のために食べるならタイミングは夜。夕食の食前(30分ほど前)がいいですね。睡眠中に腸がしっかりとはたらいて朝のお通じをサポートしてくれるでしょう。
ダイエットにいいタイミング
バナナにはビタミンB群がバランスよく含まれています。
ビタミンB群は、糖質・脂質・たんぱく質をエネルギーに変えてくれる栄養素。糖質・脂質などを脂肪としてためることなく、エネルギーに変えて燃焼してくれます。
またバナナには、水溶性と不溶性の食物繊維も豊富。中性脂肪やコレステロールを減らす、腸内環境を整えて便秘を解消する、腸でふくらんで満腹感が続く、といった効果からもダイエットに最適な果物です。
さらに豊富なカリウムが体内の余分なナトリウムを排出。むくみを解消してスッキリとしたスマートな体をつくります。
バナナをダイエット目的で食べるならタイミングは夕食の30分前。バナナ2本を常温の水や白湯と一緒に食べるだけ。これで夕食の食べすぎも自然とおさえられてダイエットをサポートします。
注意!シュウ酸による尿路結石
バナナにはシュウ酸が多く含まれていて、それが尿路結石の原因にもなります。
確かにダイエットにはよいのですが、バナナ2本の生活を毎日ずっと続けると尿路結石の心配もありますね。
ちなみに、シュウ酸の多い食べ物は、バナナ、ほうれん草、たけのこ、大根、チョコレート、コーヒー、紅茶など。
これらを摂りすぎないことも尿路結石の予防につながります。
そのほか、尿路結石を予防するための方法として、
- 水分をしっかりとる(1日2リットルなど)
- カルシウムの多い食べ物をとる
- クエン酸の多い食べ物をとる
といった工夫も同時におこないましょう。
ストレスにいいタイミング
バナナには、トリプトファン、ビタミンB6、炭水化物が含まれていて、これらが「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンをつくります。
セロトニンには、ストレスに強くなる、落ち込まない、やる気が出る、元気に活動できる、能率があがる、といった効果があります。
バナナをストレス対策に食べるならタイミングは朝。朝食の食前(30分ほど前)にバナナを食べたり、朝食自体をバナナにするのがおすすめです。また豆乳や牛乳もトリプトファンの多い飲み物なので、一緒に摂るのもいいですね。
目覚めて太陽の光を浴びることで、体内でのセロトニン作りが始まります。
セロトニン作りが始まる朝のタイミングに、セロトニンのおもな材料がすべて含まれているバナナを食べて気持ちいい1日を過ごしましょう。
寝つきと眠りにいいタイミング
バナナには「幸せホルモン」セロトニンの材料が含まれているとお伝えしました。
セロトニンが作られて約15時間たつと、セロトニンが「眠りのホルモン」メラトニンに変化して、心地よい眠気がやってきて深い眠りをえることができます。
ということは、眠る15時間前にセロトニン作りを始めることがポイント。23時に眠るなら朝8時に、22時に眠るなら朝7時にセロトニン作りをスタートさせましょう。
バナナを眠りのために食べるならタイミングは朝。朝起きて太陽の光を浴びる。そして朝食の30分前にバナナを食べたり、朝食をバナナにしてみましょう。
スポーツにいいタイミング
バナナは胃に負担が少なくてすばやくエネルギーに変わってくれます。ですので運動前のエネルギー補給にピッタリ。パフォーマンスを支えます。
食べるタイミングは運動する30分前。バナナの糖質の中でもっとも多い「果糖」は食べて20分~30分ほどでエネルギーに変わるからです。
運動後の筋肉疲労にいいタイミング
運動した後のバナナは筋肉疲労の回復をサポート。傷んだ筋肉をすばやく修復して疲労回復を促進してくれます。
食べるタイミングは運動してから30分以内が目安。運動で大量に消費されたグリコーゲンなどの栄養を補給するためには、吸収の早い糖質であるバナナが効果的なのです。
*-*-*-*-*
バナナの栄養価、バナナの8つの効果効能と最適な食べるタイミングをお伝えしました。
(1)バナナに豊富な栄養素 : カリウム、食物繊維、ビタミンB群、トリプトファン、ポリフェノール類など。
(2)効果的な食べるタイミング : 果物全般的に「食間」や「食事の30分前」。食後のデザートは体にとって悪影響となるためNG。
(3)バナナの効果効能 : 高血圧予防、抗酸化作用、便秘解消、ダイエット(脂肪の燃焼)、ストレスから守る、寝つきをよくして眠りを深く、スポーツのパフォーマンスアップ、運動後の筋肉疲労の回復などがあり、それぞれに効果的な食べるタイミングがある。
一年を通していつでも手に入りやすく、効果効能が満載で手軽に食べられるバナナ。毎日の生活に取り入れたい優秀な果物ですね。