モリブデンの多い食べ物にはどんなものがあるか、思いつきますか?
モリブデンは聞き慣れない名前ですが、必須ミネラルのひとつ。
鉄分と一緒に血液を作って貧血の解消をサポートするはたらきや、有毒なものを排出することで体を守っています。
では身近な食べ物の中から、100gあたりの含有量ではなく1食分あたりに換算して、モリブデンの多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
このページを読めば、どの食べ物をどのくらい食べると1日に必要なモリブデンの何%が摂れるのか、手に取るようにわかりますよ!
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モリブデンの効果とは?
モリブデンの多い食べ物の前に、まずはモリブデンの効果、不足したらどうする?摂りすぎたらどうする?についてお伝えします。
モリブデンのおもな6つの効果
モリブデンの効果は、貧血予防、糖質や脂質の代謝をサポートする、有毒なものを分解して無毒化するなど。くわしくは次の6つです。
- 血液をつくる(鉄分のはたらきを促進)
- 糖質、脂質の代謝を助ける
- 尿酸の代謝を助ける
- 体に有毒な物を分解する
- 食べ物の消化を促進する(消化酵素のはたらきをサポート)
- 余分な銅を排出する
モリブデンが不足すると?
通常の食生活をしていればモリブデンが不足することはまずありません。
もし不足した場合には、頻脈、頭痛、多呼吸、夜盲症の原因となります。
モリブデンを摂りすぎると?
モリブデンは摂りすぎてもすばやく排出されます。通常の食生活なら摂りすぎの心配もありません。
ただあまりに摂りすぎる生活が続いていると、モリブデンが銅を排出してしまうので、銅欠乏症(貧血、免疫低下、白髪、骨の異常)や、痛風のような症状が出ることもあります。
※参考サイト:
国立健康・栄養研究所「モリブデン解説」
では、モリブデンは1日にどのくらいの量を摂るのがよいのでしょうか?
モリブデンの1日の推奨量
モリブデンの1日に必要な量と上限はどのくらいでしょうか?
年齢別で1日に必要な量は?
モリブデンの1日に必要な量(=推奨量)は厚生労働省の「日本人の食事摂取基準-2020年版」で定められています。
モリブデンの1日の推奨量
女性:25μg
男性:30μg
※参考サイト:厚生労働省
「日本人の食事摂取基準-2020年版」
では身近な食べ物の中から、100gあたりではなく1食分あたりの含有量に換算して、モリブデンの多い食べ物をランキングで30位までお伝えします。
モリブデンの多い食べ物ランキング
モリブデンの多い食べ物にはどんなものがあるのか、まずは30位までグラフにまとめました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
モリブデンは豆類、大豆加工品、お米やそばなど、日常的に食べているものにも多く含まれています。モリブデンが不足しにくいことがわかりますね。
では、この30位までの食べ物それぞれの「1食分に含まれるモリブデン」をお伝えします。
1~10位の食べ物
まずは1~10位の食べ物です。
モリブデンの1日の推奨量
女性:25μg
男性:30μg
1位:枝豆(冷凍ものを解凍)
小皿に一盛りの枝豆(65g)に
124μg
冷凍枝豆の1/3袋分(130g)の栄養価です。さやを除いた可食部(豆の部分)は65gほどです。
女性なら1日に必要なモリブデンの5倍、男性なら4倍の量を摂ることができます。枝豆は生でも冷凍ものでもモリブデンの量はほとんど変わりません。
枝豆はビタミンB群、C、鉄分、銅、カリウム、食物繊維も豊富。貧血予防、疲労回復、便秘解消が期待できます。
枝豆の栄養がすごい!冷凍枝豆1皿分の栄養価と7つの効果とは?
2位:豚レバー
豚レバー100g
(レバニラ炒め1皿分)に
120μg
3位:納豆(粒)
粒納豆1パック(40g)に
116μg
健康効果の高い納豆も食べ合わせによっては効果が台無しになることも!?納豆の効果的な食べ合わせはこちら↓
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4位:豆乳
豆乳200mlに
113μg
5位:絹ごし豆腐
絹ごし豆腐の半丁(150g)に
104μg
絹ごし豆腐はモリブデンのほかにも、鉄分、銅、マグネシウム、カルシウム、食物繊維がたっぷり!骨を強くする、血圧・血糖値・中性脂肪などの改善、イライラをおさえる、美肌効果があります。
絹ごし豆腐は栄養が凝縮!1丁の栄養価と8つの効果とは?
6位:牛レバー
牛レバーステーキ(100g)に
94μg
7位:鶏レバー
鶏レバーの焼き鳥3本
(鶏レバー100g)に
82μg
豚でも牛でも鶏でも、レバーにはいろいろなミネラルが豊富に含まれています。
8位:厚揚げ
厚揚げ1/2枚(75g)に
73μg
厚揚げには鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミンK、Eが豊富。強い骨をつくる、高血圧や糖尿病の予防、免疫力アップに効果的です。
厚揚げの栄養がすごい!1枚あたりの栄養価と8つの効果とは?
9位:木綿豆腐
木綿豆腐の半丁(150g)に
66μg
絹ごし豆腐が104μgなので、木綿豆腐はその6割ほどですね。
10位:七分づきごはん(炊いた米)
お茶碗1杯(160g)に
56μg
女性なら1日に必要なモリブデンの2.2倍、男性なら2倍弱の量を摂ることができます。
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モリブデンの多い食べ物を10位までお伝えしました。次は11~20位です。
11~20位の食べ物
モリブデンの多い食べ物。
続いて11~20位です。
11~20位の食べ物にはモリブデンが18~54μg含まれています。
モリブデンの1日の推奨量
女性:25μg
男性:30μg
11位:五分づきごはん(炊いた米)
お茶碗1杯(160g)に
54μg
女性なら1日に必要なモリブデンの2.7倍、男性なら2倍弱の量を摂ることができます。
11位タイ:玄米ごはん
玄米ごはんお茶碗1杯(160g)に
54μg
まったく精米されていない玄米だけを炊いた場合の栄養価です。
13位:精白米(炊いた米)
白米のごはんお茶碗1杯(150g)に
45μg
モリブデンの10位~13位が、七分づき(56μg)→五分づき→玄米→精白米(45μg)とお米のごはんが続きます。含有量には大きな違いはありませんね。
14位:大豆(煮豆)
大豆の煮豆の
小鉢1皿(50g)に
39μg
15位:落花生
落花生30粒(30g)に
29μg
1粒が1g。落花生は1日30粒がよいとされています。
落花生にはモリブデンのほか、ビタミンB群、E、不溶性食物繊維、銅、マグネシウムがたっぷり。貧血予防、疲労回復、動脈硬化や骨粗鬆症を防ぐ、生活習慣病の予防、デトックスに効果を発揮します。
落花生には栄養が凝縮!1日分30粒の栄養価と7つの効果とは?
16位:あずき(ゆであずき)
あんぱん1個(あずき30g)に
27μg
目安としてあんぱん1個に入っているあずきが30gほどです。
17位:きなこ
大さじ1杯(7g)に
27μg
きなこはわずかな量にもビタミンB群、鉄分、マグネシウム、カリウム、不溶性食物繊維が凝縮。その栄養価と効果はこちら↓
きなこは栄養たっぷり!大さじ1杯の栄養価と6つの効果とは?
18位:そば(ゆでたもの)
そば1人前(230g)に
25μg
1人前120gの生そばを茹でると230gになります。
19位:おから(煮物)
おからの煮物1皿(40g)に
18μg
おからを1/2カップ(40g)使って作ったおからの煮物(卯の花)の栄養価です。
おからには不溶性食物繊維や鉄分、銅、マグネシウムもたっぷり!ダイエット、デトックス、強い骨をつくる、便秘解消、貧血予防に効果的です。
おからの栄養がすごい!1食分の栄養価と6つの効果とは?
19位タイ:いちご
いちご10粒(200g)に
18μg
1日に必要なモリブデンのうち女性なら90%、男性なら60%を摂ることができます。
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モリブデンの多い食べ物を11~20位までお伝えしました。最後は21~30位です。
21~30位の食べ物
モリブデンの多い食べ物。
最後は21~30位です。
21~30位の食べ物にはモリブデンが6~17μg含まれています。
モリブデンの1日の推奨量
女性:25μg
男性:30μg
21位:さといも(煮っころがし)
里芋の煮っころがし1皿
(里芋5個:210g)に
17μg
女性の1日分のモリブデンの85%(男性なら57%)を摂ることができます。
里芋にはビタミンB群、E、カリウム、鉄分、食物繊維など栄養がぎっしり!高血圧・中性脂肪・コレステロールの改善、便秘解消、疲労回復、骨を強くする、美肌におすすめです。
里芋は栄養の宝庫!1皿あたりの栄養価と8つの効果とは?
22位:とうもろこし
とうもろこし1/2本(75g)に
15μg
23位:花豆(煮豆)
花豆の煮豆を小鉢1皿
(11粒:50g)に
11μg
花豆には不溶性食物繊維、鉄分、銅、カリウムも豊富。デトックス、貧血予防、骨を強くする、便秘解消、疲労回復、免疫力を高めるはたらきがあります。
花豆には栄養が凝縮!10粒あたりの栄養価と7つの効果とは?
24位:おからパウダー
おからパウダー大さじ1杯(6g)に
10μg
おからパウダーは食物繊維の最強食材。おからパウダーの半分は食物繊維なので、大さじ1杯で約3gも摂ることができます。
おからパウダーは栄養が凝縮!大さじ1杯の栄養価と7つの効果とは?
25位:水菜(サラダ)
水菜のサラダ(1/4袋分:43g)に
9μg
26位:牛乳
牛乳200mlに
8μg
27位:トマトジュース(食塩無添加)
トマトジュース200mlに
8μg
28位:カシューナッツ
カシューナッツ16粒(24g)に
7μg
カシューナッツ1粒は3gほど。間食でのカロリーを150kcal以下におさえたいので16粒が目安となります。
カシューナッツはセレン、マグネシウム、鉄分、亜鉛、銅などミネラルたっぷり!貧血の予防、強い骨をつくる、糖尿病やメタボの予防、アンチエイジングが期待できます。
カシューナッツは栄養が凝縮!1日分15粒の栄養価と6つの効果とは
29位:焼きのり
おにぎりサイズ3枚
(3切×3枚で3g)に
7μg
30位:バナナ
バナナ1本(90g)に
6μg
女性の1日分のモリブデンの32%男性なら21%)が含まれています。
バナナは食べるタイミングによって効果が変わります。くわしくはこちら↓
バナナを食べるタイミングは食前?食後?朝?夜?Ngなのは?
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モリブデンの豊富な食べ物を30位までランキングでお伝えしました。もう一度グラフで見てみましょう。
ごはん、納豆、豆腐、厚揚げにモリブデンが多いので、不足することはなさそうですね。
モリブデンの多い食べ物:まとめ
モリブデンの豊富な食べ物のランキングやその効果をお伝えしました。
モリブデンの多い食べ物:枝豆、納豆、豆乳、豆腐、厚揚げ、レバー、ごはん、落花生、そば、おから、さといも、トマトジュース
モリブデンの効果:血液を作る、糖質・脂質の代謝、尿酸の代謝、体に有毒な物を分解、消化の促進、余分な銅の排出
不足すると?:頻脈、頭痛、多呼吸、夜盲症。ただ、通常の食生活で不足することはまずありません。
摂りすぎると?:貧血、免疫低下、白髪、骨の異常、痛風のような症状。ただ、摂りすぎた分はすばやく排出されるので、通常の食生活では摂りすぎの心配はいりません。
1日の推奨量:女性で20μg、男性で25~30μg
「血のミネラル」とも呼ばれるモリブデン。
貧血気味で豆類や大豆加工品やお米をあまり食べない人は、意識して摂るようにしてみてはいかがでしょうか。