かつおは春と秋に旬をむかえる魚。EPA、DHA、たんぱく質がたっぷりと含まれています。
そんなかつおはビタミンやミネラルも豊富だってこと、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- かつおにはどの栄養が多いの?
- かつおのたたきを6切れ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- どんな健康効果がある?
- どんな人こそ食べるといい?
といったことが手に取るようにわかります。かつおにぎっしり詰まった栄養で健康な毎日を過ごしましょう。
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かつおのたたき6切れの栄養価
かつおに多い栄養は、ビタミンB群(B6、B12、ナイアシン)、ビタミンD、マグネシウム、カリウム、鉄分、亜鉛、セレンなど。
食べ物をエネルギーに変えたり、骨をつくるはたらきの栄養が多く含まれています。
かつおの効果として、疲労回復、脂肪肝を防ぐ、高血圧の予防、丈夫な骨や歯をつくる、不整脈や狭心症の予防、貧血予防、筋肉をスムーズに動かす、アンチエイジングなどが期待できます。
では、かつおには
どの栄養がどれほど含まれていて、
その栄養にはどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは1食分のかつおの量を「かつおのたたき6切れ(100g)」として、
- かつおのたたきを6切れ食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - かつおに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちで、ビタミン、ミネラル、食物繊維の順にお伝えしていきます。
1食分の量:かつおのたたき6切れ(100g)
かつおに多いビタミン
かつおのたたきを6切れ食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
かつおに多く含まれているビタミンは次の4つ。女性の1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンB12 | 350% |
ナイアシン | 200% |
ビタミンB6 | 69% |
ビタミンD | 47% |
ビタミンB12とナイアシンがぎっしり。ただどちらも私たちが十分に摂れている栄養です。
逆にビタミンB6とDは不足しがちな栄養。かつおでしっかりと補うことができます。
次はかつおにはどんなミネラルが多いのかお伝えします。
かつおに多いミネラル
かつおのたたき6切れを食べると、女性にとって1日に必要なミネラルの何%が摂れるでしょうか?
かつおに豊富なミネラルは次の6つ。女性の1日分のミネラルの何%を摂れるのかというと……
セレン | 172% |
リン | 35% |
鉄 | 29% |
カリウム | 22% |
銅 | 15% |
マグネシウム | 15% |
セレンはビタミンEの60倍の抗酸化力とも。あらゆる病気から守り、老化も防止するはたらきがあります。
では、かつおの食物繊維の量をお伝えしてから、かつおの8つの効果効能を紹介します。
かつおに多い食物繊維
かつおのたたき6切れに含まれる食物繊維は……
かつおには含まれていません。食物繊維は炭水化物の一部なので、かつおはもちろんのこと、魚や貝類には含まれていないのです。
では、
私たちに不足しがちな栄養のなかで、
かつおに多い栄養は?
その栄養をどのくらい補える?
どんな健康効果が期待できる?
かつおで不足分を補える栄養とその効果
かつおに多い栄養は、ビタミンB12、ナイアシン、セレン、ビタミンB6、ビタミンD、リン、鉄分、カリウムなど。ですが……
ビタミンB12、ナイアシン:
ふだんから必要な量の2倍以上も摂れています。
セレン、リン:
一般的な食生活ではまず不足しません。
かつおがなぜ体にいいのか、というと、
私たちに足りない栄養を補えるから。
かつおで私たちの不足分をしっかり補える栄養は、ビタミンB6、B2、D、鉄分、カリウム、マグネシウムの6つです。
ではこれらの栄養素は……
- 私たちは普段どのくらい摂れている?
- かつおでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンB6
私たちに不足していて、かつおにたっぷり含まれる栄養。1つめはビタミンB6。疲労回復、ホルモンバランスを整えるなどのはたらきがあります。
かつおのビタミンB6の量は?
1日に必要なビタミンB6は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
かつおのたたき6切れには0.8mg。
さて私たちは普段からビタミンB6をどのくらい摂れていて、かつおのたたき6切れでどう補えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、99%
かつおのたたき6切れには、69%
合計で、168%
男性が摂れている量は、90%
かつおのたたき6切れには、54%
合計で、144%
ビタミンB6は体の中でも作られるので比較的不足しにくいのですが、次のような人はB6不足に注意が必要です。
- プロテインをよく飲む人
- 妊娠している人
- ピルを飲んでいる人
- 抗生物質を長い期間飲んでいる人
ビタミンB6は肉や魚などに多く含まれます。かつおのたたきなら1切れ2切れでも不足分を十分に補うことができます。
ビタミンB6の効果は?
おもに次の6つのはたらきがあります。
- 疲労を回復して体をつくる
たんぱく質を分解してエネルギーを作り、筋肉・肌・髪・爪などを作る - 脂肪肝を防ぐ
脂質の代謝を促進して肝臓に脂肪がたまらないように守る - 肌荒れや口内炎を防ぐ
肌・髪・粘膜の代謝を高めて健康にたもつ - ホルモンバランスを整える
月経前の体の悩みをやわらげる - 妊娠中のつわりをやわらげる
- 神経伝達物質を作る
気持ちをおだやかに安定させる
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンB6解説」
ビタミンD
かつおで不足分が補える2つめの栄養はビタミンD。免疫を高めたり強い骨をつくるはたらきを発揮します。
かつおのビタミンDは?
1日に必要なビタミンDは
女性も男性も8.5μg。
かつおのたたき6切れには4μg。
では普段からどのくらい摂れていて、かつおのたたき6切れでどう補えるかというと……
女性が摂れている量は、75%
かつおには、47%
合計で、122%
男性が摂れている量は、87%
かつおには、47%
合計で、134%
必要な量の8割ほどしか摂れていないビタミンD。かつおならしっかりと補うことができます。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンD解説」
ビタミンDの効果は?
おもなはたらきは次の3つ。
- 丈夫な骨をつくる
カルシウムの吸収を助ける - 筋肉の動きをスムーズにする
血液中のカルシウム濃度を適正にたもつ - 風邪やインフルエンザから守る
ウイルスへの抵抗力を高めて免疫力を高める
日光を浴びると体内でビタミンDが作られます。意識して日光を浴びたり、ビタミンDの多い食べ物(鮭、サバ缶、いわし、アジ、ぶり、しらす、たまごなど)を食べるようにしましょう。
鉄分
3つめの栄養は鉄分。骨を強くしたり感染症から守るはたらきもあります。
かつおの鉄分は?
1日に必要な鉄分は
女性が6.5mg、男性が7.5mg。
かつおのたたき6切れには1.9mg。
かつおを食べると……
女性が摂れている鉄分は、112%
かつおには、29%
合計で、141%
男性が摂れている鉄分は、107%
かつおには、25%
合計で、132%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「鉄解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」、NHK健康チャンネル「鉄欠乏性貧血とは?」
鉄分の効果は?
鉄分にはおもに次の5つのはたらきがあります。
- 貧血の予防・改善
- 強い骨をつくる
- ウイルスや細菌から守る
- しなやかで動きやすい体に
- 美しい肌をつくる
1日に必要な量はふだんから摂れていますが、貧血ぎみ、疲れやすい、肌荒れが気になる、風邪をひきやすい、といった人は鉄分不足かもしれません。
かつおのほか、豆乳、厚揚げ、木綿豆腐、さば味噌缶、そば、枝豆、大根の葉っぱなど、鉄分の多い食べ物を積極的に摂りましょう。
カリウム
4つめの栄養はカリウム。高血圧の予防だけでなく心臓の動きを守る効果も発揮します。
かつおのカリウムは?
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
かつお6切れには430mg。
かつおを食べると……
女性が摂れている量は、111%
かつおには、22%
合計で、133%
男性が摂れている量は、96%
かつおには、17%
合計で、113%
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果は?
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 体のなかの余分な塩分を出す
- 高血圧を予防する
- 心臓のはたらきを守る
- 筋肉をしなやかに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、濃い味付けが好き、という人もカリウム不足かもしれません。
かつおのほか、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、豆乳、ぶり、鮭、豚肉などに豊富に含まれています。
マグネシウム
かつおで不足分が補える5つめの栄養はマグネシウム。骨を強くしたり糖尿病の予防効果も期待されているミネラルです。
かつおのマグネシウムは?
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
かつおのたたき6切れには42mg。
かつおを食べると……
女性が摂れている量は、81%
かつおには、15%
合計で、96%
男性が摂れている量は、71%
かつおには、11%
合計で、82%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」、厚生労働省 eJIM「マグネシウム」
マグネシウムの効果は?
次の6つのはたらきがあります。
- 丈夫な骨や歯をつくる
- 不整脈・狭心症・心筋梗塞を防ぐ
- 筋肉がつったりけいれんするのを防ぐ
- 糖尿病やメタボなど生活習慣病を予防する
- 高血圧を予防する
- 気持ちをおだやかに整える
カルシウムをたくさん摂ってもマグネシウムが不足していると骨は強くなりません。
心臓の動きを守ったり高血圧を予防するはたらきもあるマグネシウムですが、私たちにはかなりの不足。
かつおのほかマグネシウムの多い食べ物は、豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗、魚介類などがあります。
ビタミンB2
6つめの栄養はビタミンB2。疲労回復、脂肪の分解、生活習慣病の予防などのはたらきがあります。
かつおのビタミンB2は?
1日に必要なビタミンB2は、
女性が1.2mg、男性が1.6mg。
かつお6切れには0.17mg。
かつおを食べると……
女性が摂れている量は、93%
かつおには、14%
合計で、107%
男性が摂れている量は、76%
かつおには、11%
合計で、87%
男性はかなりのビタミンB2不足。レバー、さば缶、ぶり、いわし、鮭、豚肉、納豆、たまごなど、ビタミンB2の多い食べ物を取り入れましょう。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB2解説」
ビタミンB2の効果は?
- 疲労回復
- 生活習慣病予防
- 便秘予防
- ダイエット
- デトックス
- 子供の発育促進
- 美肌・美髪
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かつおで不足分を補える栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
かつおを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べると効果的?
についてお伝えします。
かつおの8つの効果効能
かつおにはビタミンB群、D、セレン、鉄分、カリウム、マグネシウムなどの栄養が豊富。
そんなかつおに期待される効果は……
- 疲労回復
糖質・脂質・たんぱく質を分解してエネルギーに変える - 脂肪肝の予防
脂質の代謝を促進して肝臓に脂肪がたまらないように守る - 高血圧の予防
余分なナトリウムを排出し、動脈をゆるめて血圧を下げる - 丈夫な骨をつくる
カルシウムは少ないものの、ビタミンD、鉄、マグネシウムが強い骨や歯をつくる - 不整脈・狭心症・心筋梗塞の予防
筋肉の収縮をスムーズにして心臓のはたらきを正常にたもつ - 貧血の予防
- 筋肉をスムーズに動かす
しなやかで動きやすい体に - アンチエイジング
高い抗酸化作用で老化や病気を防ぐ
生活習慣病や骨粗しょう症を予防し、若々しく元気な体をサポートしてくれるのがかつおなのです。
かつおの栄養と効果:まとめ
かつおに多い栄養や期待される効果についてお伝えしました。
かつおに多い栄養:1日の必要量に対して多い栄養は、ビタミンB群、D、マグネシウム、カリウム、リン、鉄分、亜鉛、セレン
かつおで不足分を補える栄養:ビタミンB2、B6、D、鉄分、カリウム、マグネシウム、亜鉛など
かつおの健康効果:疲労回復、脂肪肝や高血圧の予防、骨や歯を丈夫にする、不整脈・狭心症・心筋梗塞の予防、貧血の改善、筋肉をスムーズに動かす、アンチエイジング
青魚の健康効果が満載のかつお。元気で若々しい毎日のためにぜひ活用してみてはいかがでしょうか。