みずみずしい甘さで人気のネーブルオレンジ。輸入物だけでなく国産も多く、1年を通して手に入りやすい果物です。
ネーブルオレンジはもちろんビタミンCがたっぷり。でもほかにどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
これからお伝えする内容を読むと、
- ネーブルオレンジに多い栄養は?
- 1つ食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- ネーブルオレンジの効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
といったことが手に取るようにわかります。ネーブルオレンジの栄養を上手に活用して元気な毎日を過ごしましょう。
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ネーブルオレンジ1個の栄養価
ネーブルオレンジに多い栄養は、ビタミンC、ビタミンB1、葉酸、カリウム、銅、水溶性食物繊維など。
100gあたりで比べると柑橘類の中でビタミンCの含有量はもっとも多いのはネーブルオレンジ。
その効果としては、免疫力を高める、貧血予防、高血圧の予防・改善、動脈硬化の予防、中性脂肪やコレステロールをおさえる、お腹の赤ちゃんの成長を守る、美白などが期待できます。
ではネーブルオレンジには、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養にどんなはたらきがあるのか、
ご存じですか?
ここでは、
- ネーブルオレンジを1個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - ネーブルオレンジに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
についてわかりやすくお伝えします。
ネーブルオレンジ1個=104g
ネーブルオレンジは約160gですが皮や種などを取り除くと可食部は104gです。
ネーブルオレンジに多いビタミン
ネーブルオレンジを1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
ネーブルオレンジに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンC | 62% |
葉酸 | 15% |
ビタミンB1 | 7% |
パントテン酸 | 6% |
ビタミンB6 | 6% |
柑橘類だけあってビタミンCがダントツ。1日に必要なビタミンCの半分以上も摂ることができます。
ビタミンB群(B1、B6、葉酸、パントテン酸)が豊富なことも柑橘類に共通しています。
次はネーブルオレンジにはどんなミネラルが含まれているのかお伝えします。
ネーブルオレンジに多いミネラル
ネーブルオレンジ1個で女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
ネーブルオレンジに多く含まれているのは……
カリウム | 9% |
銅 | 9% |
ミネラルはビタミンほど多くありません。その中では、血圧ケアのカリウム、貧血を予防したり免疫を高める銅などが豊富ですね。
では、ネーブルオレンジの食物繊維をお伝えしてから、ネーブルオレンジの9つの効果を紹介します。
ネーブルオレンジに多い食物繊維
ネーブルオレンジ1個で1日分の食物繊維の何%が摂れるでしょうか?
水溶性食物繊維 | 7% |
不溶性食物繊維 | 5% |
私たちに不足しがちな食物繊維。
ネーブルオレンジを1個食べても不足分を十分補うまではいきませんが、それでも7%ほど補うことができます。
では、
ネーブルオレンジに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
ネーブルオレンジに多い栄養とその効果
ネーブルオレンジ1個あたりの栄養の中で、女性が1日に必要な量に対して多い順に、
ビタミンC | 62% |
葉酸 | 15% |
カリウム | 9% |
銅 | 9% |
水溶性食物繊維 | 7% |
ビタミンB1 | 7% |
ではこの6つの栄養は……
- 私たちはどのくらい摂れている?
- ネーブルオレンジでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンC
ネーブルオレンジにもっとも多い栄養はビタミンC。
風邪予防、ストレスから守る、美肌など、あらゆるはたらきのある栄養です。
ネーブルオレンジのビタミンC
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
ネーブルオレンジ1個には62mg。
1日の必要量の62%です。
さて私たちは普段からビタミンCをどのくらい摂れていて、ネーブルオレンジを食べるとどう補えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、96%
ネーブルオレンジに、62%
合計で、158%
男性が摂れている量は、91%
ネーブルオレンジに、62%
合計で、153%
私たちに不足ぎみなビタミンCですが、ネーブルオレンジでしっかりと補うことができます。
ビタミンCの効果
ビタミンCはあらゆるはたらきで私たちを支える栄養。おもに次の7つがあります。
- 風邪の治りを早くする
※白血球のはたらきを高めてウイルスと対抗する - 心身ともに健康で若々しさを維持する
※高い抗酸化作用で活性酸素を取り除く - 鉄分の吸収を助けて貧血を予防する
- 血管・皮膚・骨を強くする
- コレステロールをおさえる
- シミを防いで白く美しい肌をつくる
- ストレスから守る
体調を崩している時やストレスが多い時は体内でビタミンCがたくさん消費されます。ネーブルオレンジなど果物を上手に活用してこまめに摂るようにしましょう。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
葉酸
2番目の栄養は葉酸。血液をつくったり子供の成長を支えるはたらきがあります。
ネーブルオレンジの葉酸
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
ネーブルオレンジには35μg。
1日の必要量の15%です。
では普段からどのくらい摂れていて、ネーブルオレンジでどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
ネーブルオレンジに、15%
合計で、133%
男性が摂れている葉酸は、123%
ネーブルオレンジに、15%
合計で、138%
葉酸の効果
おもに次の4つのはたらきがあります。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
葉酸はお腹の赤ちゃんの成長を守るだけでなく、産後の健康な母乳を作るためにも必要な栄養。
産後のたいへんな毎日を過ごすママ自身の健康を支えるはたらきもある栄養です。しっかり摂りたいですね。
▼妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月まで
通常の1日240μg + 400μg
▼それ以降の妊娠中
通常の1日240μg + 240μg
▼産後の授乳期間中
通常の1日240μg + 100μg
ちなみに葉酸は一般的な食生活なら不足しにくいものの、お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人も葉酸が不足しやすくなります。
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
カリウム
ネーブルオレンジに3番目に多い栄養はカリウム。血圧が高い人には欠かせない栄養です。
ネーブルオレンジのカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
ネーブルオレンジに187mg。
ネーブルオレンジを食べると……
女性が摂れている量は、111%
ネーブルオレンジに、9%
合計で、120%
男性が摂れている量は、96%
ネーブルオレンジに、8%
合計で、104%
私たち日本人は塩分(ナトリウム)の摂りすぎ。1日分の目安の1.5倍も摂っているとか。余分な塩分を出すためにカリウムをしっかり摂りましょう。
塩分を摂りすぎていないかもぜひチェックしてみてください↓
ナトリウムの多い食べ物ランキング30【1食分】で比較!
カリウムの効果
カリウムのはたらきはおもに次の5つ。
- 余分なナトリウムの排出を促進する
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
高血圧の人やむくみが気になる人だけでなく、食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人はカリウム不足かも。
ネーブルオレンジのほかには、里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、ぶり、鮭、豚肉などにもカリウムは豊富です↓
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
銅
4番目の栄養は銅。貧血や骨粗しょう症を防ぐはたらきの必須ミネラルです。
ネーブルオレンジの銅
1日に必要な銅は
女性が0.7mg、男性が0.9mg。
ネーブルオレンジに0.06mg。
女性が摂れている銅は、149%
ネーブルオレンジに、9%
合計で、158%
男性が摂れている銅は、133%
ネーブルオレンジに、7%
合計で、140%
銅の効果
おもに次の5つのはたらきがあります。
- 風邪やインフルエンザなど感染症から守る
- 貧血を予防する
- 骨粗鬆症や動脈硬化を防ぐ
- いろんな病気や老化を防ぐ
- 健康な黒い髪や弾力のある肌をつくる
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「銅解説」
貧血といえば鉄分不足と思いがち。でも銅が不足することで起こる「銅欠乏性貧血」もあります。
銅は不足しにくい栄養ですが、ストレスが多い人や亜鉛のサプリメントを飲んでいる人は銅不足になりやすい傾向があります。
レバー、ナッツ類、さといも、枝豆、豆腐、納豆、豆乳など、銅の多い食べ物を積極的に食べましょう。
水溶性食物繊維
ネーブルオレンジの5番目の栄養は水溶性食物繊維。海藻や果物に多く、生活習慣病を予防するはたらきの高さが注目されています。
ネーブルオレンジの水溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
ネーブルオレンジに0.4g。
女性の摂取量=58%
ネーブルオレンジ=7%
合計=65%
男性の摂取量=51%
ネーブルオレンジ=6%
合計=57%
※食物繊維全体で1日に必要な量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、上記のとおり女性6g、男性7gとしています。
ネーブルオレンジで6~7%補えますがまだまだ足りません。
寒天、干しいちじく、とろろ昆布、もち麦、豆腐、納豆、枝豆など、料理がいらない食べ物にも水溶性食物繊維が豊富なものはたくさん。くわしくはこちらをご覧ください↓
水溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の6つ。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
40歳をすぎた世代にとっては心強い栄養。しっかり摂りたいものです。
ちなみに便秘解消についてですが……
水溶性食物繊維:
便が固い、イキまないと出ない、というタイプの便秘に効果的。
不溶性食物繊維:
便の量が少ない、便の回数が少ない、というタイプの便秘に効果的。
摂るべき食物繊維を間違えると、かえって便秘がひどくなることも。くわしくはこちらで解説しています ↓
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維のスーパーパワー」
ビタミンB1
6番目の栄養はビタミンB1。疲労回復、ダイエット、脳や感情を整える栄養です。
ネーブルオレンジのビタミンB1
1日に必要なビタミンB1は、
女性が1.1mg、男性が1.4mg。
ネーブルオレンジに0.07mg。
女性が摂れている量は、79%
ネーブルオレンジに、7%
合計で、86%
男性が摂れている量は、74%
ネーブルオレンジに、5%
合計で、79%
ビタミンB1もかなりの不足。ネーブルオレンジを食べてもまだ足りません。
豚肉、玄米、鮭、サバ缶、枝豆、豆腐、エリンギなど、ビタミンB1の多い食べ物を積極的に食べましょう↓
ビタミンB1の効果
ビタミンB1のおもなはたらきは次の6つ。
- 糖質をエネルギーに変える
- 疲労を回復する
- 脳の中枢神経や手足の末梢神経の機能の正常化
- イライラを解消し、精神を安定させる
- 筋肉や頭脳の持久力を高める
- 集中力を維持する
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「ビタミンB1解説」
食べたものをエネルギーに変えて疲労を回復して元気にする。気持ちを安定させて、脳のはたらきを高める。これがビタミンB1の効果です。
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ネーブルオレンジに多く含まれる栄養とそのはたらきを紹介しました。最後にこれらをまとめて、
- ネーブルオレンジを食べると
どんな効果が得られる? - どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
ネーブルオレンジの9つの効果
ネーブルオレンジは抜群に豊富なビタミンCをはじめ、ミネラル、食物繊維などいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、期待される効果効能をまとめてみました。
- 風邪やインフルエンザなどの感染症から守る
ビタミンCがウイルスへの抵抗力を高め、銅が免疫細胞のはたらきを高める - 血圧を下げる
水溶性食物繊維やカリウムが体内の余分な塩分を排出する - 貧血を予防する
葉酸や銅が血液をつくり、ビタミンCが鉄分の吸収を高める - コレステロールや中性脂肪をおさえる
水溶性食物繊維がコレステロールや食べ物に含まれる脂肪を排出する - 便秘を解消する
水溶性食物繊維が固くなった便を柔らかくしてお通じをスムーズにする - お腹の赤ちゃんの成長を守る
胎児の正常な成長を支え、産後の健康な母乳づくりを助ける - 弾力のある白い肌をつくる
シミを予防し、新陳代謝を高めて肌の再生を促進する - ストレスから体を守る
ビタミンCの抗酸化作用で活性酸素を除去してストレスへの抵抗力を高める - 骨・血管・皮膚を強くする
ということで、ネーブルオレンジをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそネーブルオレンジを食べて!
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすい
- ストレスが多い
- 貧血ぎみ
- 外食やお酒を飲むことが多い
- 生活習慣病が気になる
- 骨粗しょう症を予防したい
- 妊活中~産後の授乳中のママ
このような方にぜひ食べてもらいたいのがネーブルオレンジなのです。
ネーブルオレンジに多い栄養:まとめ
ネーブルオレンジに多い栄養と効果効能を紹介しました。
ネーブルオレンジに多い栄養:1日に必要な量に対して多い順番に、ビタミンC、葉酸、カリウム、銅、水溶性食物繊維、ビタミンB1
ネーブルオレンジの効果:感染症から守る、血圧を下げる、貧血予防、コレステロールや中性脂肪をおさえる、便秘解消、胎児の成長を守る、美肌、ストレスから守る、骨・血管・皮膚を強くする
こんな人こそ食べてほしい:風邪をひきやすい、疲れやすい、ストレスが多い、貧血ぎみ、外食やお酒が多い、生活習慣病が気になる、骨粗しょう症を予防したい、妊活中~産後の授乳中のママ
健康にも美容にも強い味方となってくれるネーブルオレンジ。ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。