南国の果物パパイヤ。酸味が少なく甘味の濃いパパイヤは、スイーツとしてもおなじみですね。
そんなパパイヤにはあらゆる栄養が凝縮。でもどんな栄養が多いのか、ご存じですか?
そこで今回は青パパイヤではなく、果物として食べられる完熟のパパイヤについて……
- パパイヤにはどんな栄養が多い?
- 1個食べると1日分の栄養の何%が摂れる?
- パパイヤの健康効果は?
- どんな人こそ食べるといいの?
などをわかりやすくお伝えします。
パパイヤの栄養をしっかりと取り入れて健康的な毎日を過ごしましょう。
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パパイヤ1個の栄養価
パパイヤに多い栄養は、ビタミンC、葉酸、パントテン酸、マグネシウム、カリウム、銅、水溶性と不溶性の2種類の食物繊維など。
厳しい日差しに打ち勝って育つパパイヤには抗酸化作用の高いビタミンCがぎっしり!食物繊維も2種類ともしっかりと含まれています。
パパイヤの効果として、風邪などの感染症を早く治す、貧血予防、強い骨をつくる、便秘解消、中性脂肪やコレステロールを減らす、血圧を下げるなどが期待できます。
ではパパイヤには、
どの栄養がどのくらい多くて、
その栄養はどんなはたらきがあるか、
ご存じですか?
ここでは100gあたりの栄養価ではなく、
- パパイヤを1個食べると、
1日分の栄養の何%が摂れる? - パパイヤに多い栄養は何?
- どんな効果が期待できる?
といったかたちでお伝えします。
パパイヤ1個=228g
パパイヤは1個が約350g 。皮と種を除くと可食部は228gほど。パパイヤ1個あたりの栄養価をお伝えします。
パパイヤに多いビタミン
まずはビタミンから。
パパイヤを1個食べると女性の1日分のビタミンの何%が摂れるのか、グラフにしてみました。
※参考サイト:
文部科学省「食品成分データベース」
パパイヤに多く含まれているビタミンは次の5つ。女性にとって1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
ビタミンC | 114% |
葉酸 | 42% |
パントテン酸 | 19% |
ビタミンA | 13% |
ビタミンE | 11% |
ビタミンCが抜群に豊富!パパイヤには1日に必要なビタミンCを超える量が含まれています。半分食べるだけでも十分です。
では次にパパイヤにはどんなミネラルが多いのかをお伝えします。
パパイヤに多いミネラル
パパイヤ1個で女性の1日分のミネラルの何%が摂れるでしょうか?
パパイヤに豊富なミネラルは次の4つ。女性にとって1日に必要な量の何%を摂れるのかというと……
カリウム | 24% |
マグネシウム | 20% |
銅 | 16% |
モリブデン | 11% |
パパイヤにはミネラルもたっぷり。血圧を下げてむくみを解消するカリウム、骨を強くして血圧を整えるマグネシウム、貧血を予防して強い骨をつくる銅などが豊富です。
では、パパイヤ1個あたりの食物繊維をお伝えしてから、パパイヤの9つの効果を紹介します。
パパイヤに多い食物繊維
パパイヤ1個には、女性が1日に必要な食物繊維の何%が含まれているのでしょうか?
不溶性食物繊維 | 29% |
水溶性食物繊維 | 27% |
パパイヤには食物繊維がぎっしり!
なかでも私たちにまったく足りない水溶性食物繊維がたっぷり。パパイヤは生活習慣病の予防にうれしいはたらきを発揮してくれるでしょう。
では、
パパイヤに多い栄養には
どんなはたらきがあるのでしょうか?
私たちはその栄養が
ちゃんと摂れているのでしょうか?
パパイヤに多い栄養とその効果
パパイヤ1個の栄養価のなかで、女性が1日に必要な量に対して豊富な栄養はこの6つ。
ビタミンC | 114% |
葉酸 | 42% |
不溶性食物繊維 | 29% |
水溶性食物繊維 | 27% |
カリウム | 24% |
マグネシウム | 20% |
ではそれぞれの栄養について、
- 私たちはどのくらい摂れている?
- パパイヤでどのくらい補える?
- どんなはたらきがある?
についてお伝えします。
ビタミンC
パパイヤに一番多い栄養はビタミンC。
風邪を早く治す、ストレスから体を守る、肌を白く美しくするなど、あらゆるはたらきのある栄養です。
パパイヤのビタミンC
1日に必要なビタミンCは
女性も男性も100mg。
パパイヤ1個には114mg。
私たちは普段からビタミンCをどのくらい摂れていて、パパイヤ1個でどう増えるのでしょうか?
女性が摂れている量は、96%
パパイヤに、114%
合計で、210%
男性が摂れている量は、91%
パパイヤに、114%
合計で、205%
ビタミンCは不足ぎみですが、ぎっしり詰まったパパイヤを1個食べると一気に1日の必要量の200%超えになります。
※参考サイト:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」、国立健康・栄養研究所「栄養摂取状況調査」、「ビタミンC解説」
ビタミンCの効果
ビタミンCにはあらゆるはたらきがあります。おもに次の7つ。
- 風邪を早く治す
※ウイルスと戦く白血球のはたらきを高める - 健康で若々しい体をたもつ
※高い抗酸化作用で活性酸素を取り除く - 貧血を予防する
※鉄分の吸収を助ける - 丈夫な骨・肌・血管をつくる
- コレステロールをへらす
- シミを防いで美しく白い肌へ
- ストレスから心と体を守る
ビタミンCは体内にためておくことができず、数時間で排出されてしまう栄養。こまめに摂ることが大切です。
その点、果物ならこまめに食べるのに便利。パパイヤのほか、ゴールドキウイ、柿、いちご、パイナップル、グリーンキウイ、柑橘類など、ビタミンCの多い果物を活用しましょう。
葉酸
2番目の栄養は葉酸。血液を作ったり子供の成長を支えるはたらきがあります。
パパイヤの葉酸
1日に必要な葉酸は
女性も男性も240μg。
パパイヤには100μg。
では普段からどのくらい摂れていて、パパイヤでどう増えるかというと……
女性が摂れている葉酸は、118%
パパイヤに、42%
合計で、160%
男性が摂れている葉酸は、123%
パパイヤに、42%
合計で、165%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「葉酸解説」
葉酸の効果
葉酸のおもなはたらきは次の4つ。
- 妊娠中のお腹の赤ちゃんの成長を守る
- 血液(赤血球)を作るサポート
- 細胞をつくるサポート
- 肌や粘膜を守って整える
お酒をよく飲む人、アスピリンやピルを飲んでいる人は葉酸不足の傾向があります。
また、妊娠初期のママにも大切な栄養ですが、パパイヤには子宮収縮を引き起こす成分が多く含まれているのでおすすめしません。
妊活中~授乳期のママは、パパイヤやレバーや生のほうれん草を避けて、枝豆、ほうれん草のおひたし、ブロッコリー、サニーレタス、いちご、マンゴー、天津甘栗、焼きのり、納豆などの葉酸の多い食べ物からしっかりと摂りましょう。
不溶性食物繊維
パパイヤに3番目に多く含まれる不溶性食物繊維。野菜、きのこ類、未精製の穀物に豊富な栄養で、デトックスや便秘解消のはたらきがあります。
パパイヤの不溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が12g、男性が14g。
パパイヤに3.4g。
パパイヤを食べると……
女性が摂れている量は、93%
パパイヤに、29%
合計で、122%
男性が摂れている量は、84%
パパイヤに、24%
合計で、108%
男女ともに不足ぎみな不溶性食物繊維。パパイヤ1個で不足分を十分に補うことができます。
※食物繊維の必要量は女性18g、男性21g。「水溶性:不溶性=1:2」が推奨されているので、1日の必要量を女性12g、男性14gとしています。
不溶性食物繊維の効果
おもなはたらきは次の3つ。
- 便秘を解消する(便のカサを増やす)
- 有害物質を排出する
- ダイエット
※参考サイト:農林水産省「ビタミンと食物繊維」、NHK健康チャンネル「食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!?」
水溶性食物繊維
4番目の栄養は水溶性食物繊維。海藻や果物に豊富で、生活習慣病の予防効果に期待が集まっています。
パパイヤの水溶性食物繊維
1日に必要な量は
女性が6g、男性が7g。
パパイヤに1.6g。
女性が摂れている量は、58%
パパイヤに、27%
合計で、83%
男性が摂れている量は、51%
パパイヤに、23%
合計で、74%
パパイヤにはたっぷり含まれているものの、ふだんの摂取量があまりに少ないのでまだ100%には届きません。
パパイヤのほかにも水溶性食物繊維の豊富な果物には、アボカド、いちご、グリーンキウイ、ドライプルーン、りんごなどがあります。
食べ物全般なら、寒天、とろろ昆布、もち麦、豆腐、納豆、枝豆などにも豊富に含まれています↓
水溶性食物繊維の効果
おもに次の6つのはたらきがあります。
- 中性脂肪を減らす
- コレステロールを下げる
- 血糖値の上昇をおさえる
- 腸内環境を整える(便秘解消)
- 血圧を下げる
- ダイエット
40歳を超えた世代にはしっかり摂ってほしい栄養素です。
ちなみに便秘を解消するはたらきは水溶性にも不溶性にもありますが、便秘のタイプによって「どちらを摂るべきなのか」が違います。くわしくはこちら↓
カリウム
パパイヤに5番目に多い栄養はカリウム。筋肉をスムーズに動かしたりむくみを解消するミネラルです。
パパイヤのカリウム
1日に必要なカリウムは
女性が2000mg、男性が2500mg。
パパイヤに479mg。
女性が摂れている量は、111%
パパイヤに、24%
合計で、135%
男性が摂れている量は、96%
パパイヤに、19%
合計で、115%
塩分を摂りすぎている私たちにとって、カリウムは意識して摂りたい栄養です。
※参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
カリウムの効果
カリウムのおもなはたらきは次の5つ。
- 体のなかの余分な塩分(ナトリウム)を出す
- 血圧を下げる
- 心臓を正常にはたらかせる
- 筋肉をスムーズに動かす
- むくみを解消する
食欲がない、チカラが入らない、疲れやすい、足がよくつる、という人もカリウム不足かもしれません。
カリウムは食べ物から摂りすぎても、余った分はちゃんと排出されます。カリウムの豊富な里芋、じゃがいも、トマトジュース、ミニトマト、枝豆、ぶり、鮭、豚肉などをしっかり摂りましょう。
マグネシウム
6番目の栄養はマグネシウム。カルシウムと一緒になって骨を強くし、血圧を調整するミネラルです。
パパイヤのマグネシウム
1日に必要なマグネシウムは
女性が290mg、男性が370mg。
パパイヤに59mg。
女性が摂れている量は、81%
パパイヤに、20%
合計で、101%
男性が摂れている量は、71%
パパイヤに、16%
合計で、87%
※参考サイト:国立健康・栄養研究所「マグネシウム解説」、厚生労働省 e-ヘルスネット「マグネシウム」
私たちはマグネシウム不足。特に男性はかなりの不足でパパイヤを1個食べても必要量に届きません。
ふだんから豆腐、厚揚げ、豆乳、大豆、枝豆、玄米、そば、アーモンド、ピーナツ、天津甘栗などマグネシウムの豊富な食べ物を食べましょう。
マグネシウムの効果
おもなはたらきは次の6つ。
- カルシウムとともに、骨や歯の元となる
- 筋肉をスムーズに動かす
- 血圧を調整する
- 体の中のあらゆる酵素のはたらきを助ける
- 神経の伝達を正常にして、神経を安定させる
- さまざまなホルモンを活性化させる
*-*-*-*-*
パパイヤに多く含まれる栄養とそのはたらきをお伝えしました。最後にこれらをまとめて、
パパイヤを食べると
どんな効果効能が得られる?
どんな人こそ食べるといいの?
についてお伝えします。
パパイヤの9つの効果効能
パパイヤにはビタミンC、葉酸、食物繊維、カリウムなどいろんな栄養が豊富。
これらの栄養のはたらきから、期待される効果をまとめてみました。
- 風邪や感染症を早く治す
ビタミンCがウイルスと戦う白血球のはたらきを高める - 貧血を予防する
葉酸がビタミンB12と一緒に血液(赤血球)を作り、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける - 丈夫な骨をつくる
マグネシウムが骨や歯にカルシウムを届けるとともに、しなやかな骨を保つ - 便秘を解消する
2種類の食物繊維が便のカサを増やして腸の動きを活発にし、固くなった便に水分を与えて柔らかくしてお通じをスムーズにする - 中性脂肪を減らす
食べ物に含まれる脂肪が体内で中性脂肪に変化する前に水溶性食物繊維がキャッチして、便として一緒に体から排出する - コレステロールを下げる
ビタミンCや水溶性食物繊維がコレステロールを排出するだけでなく、コレステロールを消費して減らす - 血圧を下げる
カリウムや水溶性食物繊維が体内の余分な塩分(ナトリウム)を排出し、マグネシウムが動脈をゆるめて血圧を下げる - ストレスから心と体を守る
ビタミンCがストレスに抵抗するための「副腎皮質ホルモン」の合成を促進する - 美肌・美白
葉酸が新陳代謝を高めて肌や粘膜を整え、ビタミンCがシミを防ぐ
ということで、パパイヤをぜひ食べてもらいたい人は……
こんな人こそパパイヤを食べて!
パパイヤをぜひ食べてほしい人はこちら!
- 風邪をひきやすい
- 骨粗しょう症を予防したい
- 血圧や中性脂肪が気になる
- 貧血ぎみ
- 便秘ぎみ
- 肌荒れが気になる
- ストレスが多い
- 若々しく元気でいたい
忙しいなかでもいつも元気で若々しくいられるために食べてもらいたいのがパパイヤなのです。
パパイヤに多い栄養:まとめ
パパイヤに多い栄養と効果効能を紹介しました。
パパイヤに多い栄養:1日の必要量に対して多い順番に、ビタミンC、葉酸、不溶性食物繊維、水溶性食物繊維、カリウム、マグネシウム
パパイヤの効果:風邪予防、貧血予防、骨を丈夫に、便秘解消、中性脂肪やコレステロールを減らす、血圧を下げる、ストレスから守る、美肌・美白
こんな人に食べてほしい:風邪をひきやすい、骨粗しょう症を予防したい、血圧や中性脂肪が気になる、貧血ぎみ、便秘ぎみ、肌荒れが気になる、ストレスが多い、若々しく元気でいたい
南国のつよい紫外線に打ち勝って成長するパパイヤは抗酸化作用の高いフルーツです。
ふだんの食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。